:その21:
FRATE(フラーテ/修道士)
道を歩いていてFRATE(フラーテ/修道士)に出会うのは日常茶飯事だ。
カトリックの国だものね。

5、6の宗派があって、いずれも茶の長い衣に、冬でも素足にサンダルが基本形だ。現実には靴下に革靴を履いてる人もいて、そういうときは、えーいいんですかぁ?という目でみてしまう。
自分ではしたくないが、修業者にはがんばってほしいと思ってしまう。

FRATE(フラーテ)が主人公で探偵のように問題を解決するテレビドラマがあったり、トークショーに出演したり、いかにも生活に溶け込んでいる。

あ?
ちょっと待って。テレビの主人公やトークショーに出演は、
FRATE(フラーテ)ではなくて、PRETE(プレーテ/司祭)と呼ぶのが正しいのかも知れない。
FRATE(フラーテ)だったら、修道院にいなくちゃいけない。

PRETE(プレーテ/司祭)は、ことに小さな地方都市へ行くと、さらに役割は重要だ。
昔のお寺の住職が、その地域の住民のよろず相談もめ事をうけおったりしていたのと似た役割を持つ。

:今日の単語:
FRATE

FRATEは、辞書で見ると、FRATELLO(兄弟)が語源のようです。
30年程前のセルジオ・レオーネ監督(だったとおもいますが…)の映画で「Brother Sun, Sister Moon」というのがありました。
自然と貧しい人々と生活する事を選んだアッシジの聖フランチェスコの伝記映画でした。
タイトルは、神が造った万物を兄弟のように愛するという聖フランチェスコの主張と、フランチェスコを示すBrother、フランチェスコを慕って出家した聖キアラをSisterと呼んだものでしょう。
英語でも尼僧をシスターって呼びますね。イタリア語でも尼僧を姉妹の意味のSORELLA
と呼びます。

FRATEの衣は、聖フランチェスコが着ていたものです。
上の写真で、頭巾がついているのが見えますね。
コーヒーに泡付きミルクを注いで作るCAPPUCCINO(カップッチーノ)はこの頭巾のことです。

ローマから吹く風 その21:5月2日発行
次回をお楽しみに!


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