:その28:
FUTURO(フトゥーロ/未来)とPASSATO(パッサート/過去)

FUTURO(フトゥーロ/未来)への距離感が、イタリアのみなさんはちょっと違うような感じがする。
FUTUROという単語を「未来」と日本語へ変換すると、「遥」とか「悠」とかの文字が浮かんできて、えらく広大な時間感覚に捕われるのは私だけだろうか?

イタリアでふつう使われるFUTURO(フトゥーロ)の語感は「将来」というような、悠久ではなく、もうちょっと身近な時間感覚だ。

イタリア語の文法の時勢はしっかりしている。
「時間」を間違えると意味が通じなくなるほどだ。
で、一つ気がついた。
「未来形」はFUTURO(フトゥーロ)で一種類だけだ。

ところが、PASSATO(パッサート/過去形)ときたら、何種類もあるのだ。
過去完了形を持つ、普通のPASSATO(パッサート/過去形)。
習慣の意味を持たせるPASSATO(パッサート)。
小説などで多用される文語的なPASSATO(パッサート)。
そして仮定法のPASSATO(パッサート)や希望を表わす接続法なんていうもののPASSATO(パッサート)もある。

過去にこだわる?
確かにこだわるべきPASSATO(パッサート)には事欠かない。
「起きたこと」があって、それは、遺跡や書類や本や化石や写真や、そして記憶となって残っていて、触れることができる。

FUTUROは見えない。触れない。
PASSATO
と同じだけの、あるいはそれ以上の悠久の時間があっても、形がない。
そこで形あるPASSATOに囲まれて暮らすイタリアのみなさんはFUTUROについては、
凝縮した形で、あまり考えないようにしたのかな?なんてこじつけてみた。

:今日の単語:
FUTURO/PASSATO

今日は単語が二つになりました。関連のある言葉だから、覚えておいていいですね。

FUTURO
は、日本人はUの音が閉じ勝ちになりますから、やけどした指をふーふー吹くように、しっかりと唇をとがらしてUを発音して下さいね。
これ、英語のフューチャーですね。


PASSATO
PASSARE(通る)という動詞の過去完了形です。「通り過ぎた」から「過去」です。
PASSOは「歩み」です。「歩み」が動いて「通る/PASSARE」になって、「通り過ぎた」ら「PASSATO/過去」です。

あ、これで単語二つ、ついでにお近づきになりましたね。


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次回をお楽しみに
ローマから吹く風 その28:8月3日発行


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