:その30:
COMODO(コモド/くつろいだ)

COMODO(コモド/くつろいだ/快適な)こと、嫌いな人はいないだろうが、イタリア人はことのほかお好みだ。
我慢すること、堪えることは美徳ではないようだ。

COMODO(コモド)」と言う語がしょっちゅうおしゃべりの中に登場する。
国際線の飛行機に乗ると、出発して間もなくもじもじし出して、立ち上がり、用もないのに歩き回ったりするから、イタリア人はすぐわかる。

知り合いの家に昼食によばれる。
御飯が済むと、お昼寝したら?と言われることがある。
COMODO(コモド)」「COMODO(コモド)」と盛んに誘われ、客である私が率先してしないと、家の人がお昼寝したくてもできないのかな?と気をまわしてニコニコしぶしぶ受けたりする。
客に来て昼寝などど不届きなことをして、気持ちは「
COMODO(コモド)」でないのだが、その家の夫婦のベッドをあてがわれ、ドアは遠慮がちに半分閉められ、窓は半開き、日よけを閉めて薄暗く、レースのカーテンが微風に膨らんだりすると、満腹も手伝ってだんだん気持ちも「COMODO(コモド)」になって、気がつくと眠り込んでいたりする。

起き上がって、無防備な寝ぼけ眼を見せて、親しさも増す、という効用もありそうだ。
 


:今日の単語:
COMODO

COMODOは形容詞です。
「くつろいでください」とか「快適に過ごす」とか「お楽になさって下さい」とか動作で使う時は
METTERE とかSTAREなどの動詞をつけて使います。

「コモドオオトカゲ」なんて聞くと、なんだか、寝そべってゆっくりしてるトカゲが浮かびます。

ローマから吹く風 その30:8月23日発行


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